葛(くず)は秋の七草のひとつで、夏を過ぎると紫紅色の花を咲かせます。
リクガメが好んで食べる野草としても有名で、給餌メニューに加えやすい点からかなり重宝しています。
写真のように、大きな3枚の葉っぱが特徴です。
葉の裏側は白っぽく、細かい毛のようなものがたくさんあります。カメムシがくっついていることが多いです。
葛は繁茂力が恐ろしいほどに高いです。写真はうちの近所の山で、辺り一帯がすべて葛に覆われています。電線なんかにも葛の蔦が巻き付いてしまい、自治会で草刈りに困っているほどです。
実際にアメリカでは葛が「侵略的外来種」に指定され、駆除対象となっています。
リクガメ飼育者としては、エサとなる葛がそこら中に自生しているのは有り難い限りと言えます。春から秋まで年中採取することができます。
葛のリクガメエサ評価
葛はリクガメの食べる野草のなかでも、嗜好性がわりと高いです。葉っぱが大きいためさすがに完食はしないことが多いですが、我が家のロシアリクガメもむしゃむしゃと美味しそうに食べています。
葛の葉の栄養成分については(食品ではないため)公式なデータがありません。
しかし、『無口ナカメノナガイヒトリゴト。~カメの部~』の管理人様が検査機関にご依頼をされて得られた成分分析結果が、下記の記事にて公開されています。
記事中では葛に加えてヤブガラシやリュウゼツサイのデータもあり、リクガメ飼育者にとってかなり貴重かつ有用な資料だと思います。素晴らしい取り組みに本当に感謝します。
結論として葛のカルシウムとリンの比率は「5.1:1」とのことで、市販野菜と比べると優秀です。
定番のコマツナが「3.8:1」で、市販野菜のなかでは最優のカブの葉が「5.95:1」ですから、葛のバランスの良さがよく分かります。データには出ていないですが食物繊維も葛は見るからに豊富そうですね。
葛は年中採取しやすく、見分けやすく、カルシウムとリンのバランスも良く、おまけにリクガメの嗜好性も高い、優れた野草です。
雑草として邪魔者扱いされることの多い野草ですが、リクガメ給餌メニューのバリエーションには是非加えてみたいですね。リクガメを飼育していると外を散歩していても「あの野草は食べられる! あの野草は毒がある!」と知識がついて、見える景色が変わってきます。
いろんな野草を知って、リクガメライフをエンジョイしましょう。
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