市販野菜のなかで最も優れたリクガメ餌は何か。ひとつだけ答えよと問われたならば「カブの葉」であると即答できます。
チンゲンサイ、小松菜、モロヘイヤに大根葉と、カルシウム豊富な野菜はたくさんあり、リクガメ飼料としても定番ですね。純粋なカルシウム含有量ですと、ナンバー1は野菜の王者たるモロヘイヤなのですが、リンとカルシウムのバランスで考えるとカブの葉に軍配が上がります。
この記事では、カブの葉の栄養評価と、リクガメ餌としての使い勝手について考察していきます。
「カブの葉」のカメエサ評価
カルシウム量 | ◎ | 可食部100gあたり250mg ☆市販野菜のなかではモロヘイヤに次いでトップクラス |
---|---|---|
カルシウム:リン比 | ◎ | 5.95:1 ☆市販野菜のなかで最も優れている |
嗜好性 | ◯ | よく食べる。嗜好性は中の上程度。 |
価格 | △ | 3個入りの束で298円程度。小松菜やチンゲンサイよりかは高価 |
総合評価 | 98点 | カルシウムが豊富でぜひリクガメのメインメニュー(主菜)に取り入れたい野菜。価格の高さとカブ(根)が余ってしまうことがネック |
カブの葉はカルシウムとリンのバランスにおいて「最優」のリクガメ飼料
カブの葉は「生」の状態で、可食部100gあたり250mgのカルシウムを含みます。といっても今ひとつ実感が湧かないと思います。そこでリクガメ飼料として一般的な他の市販野菜との比較を下記のリストにまとめてみました。
可食部100gあたりのカルシウム含有量比較リスト
- モロヘイヤ 260mg
- カブの葉 250mg
- 水菜 200mg
- コマツナ 170mg
- ダイコン葉 130mg
- チンゲンサイ 100mg
- サラダ菜 56mg
- キャベツ 43mg
- レタス 19mg
モロヘイヤはさすが「王様の野菜」の称号を冠するだけのことはあり、カルシウム含有量がずば抜けています。しかしカブの葉も、モロヘイヤとほとんど変わらず優秀なカルシウム量を誇ります。
カブの葉が優れているのは「カルシウムとリンの比率」がリクガメ飼料としては理想的な水準にあることです。リンはカルシウム吸収を阻害するため、一般的には「リン量が少なくカルシウム量の多い」野菜がカメ餌に適しているとされます。この比率についても、下記のリストにまとめてみました。
市販野菜の「カルシウムとリン」の比率リスト
- カブの葉 5.95:1
- コマツナ 3.69:1
- チンゲンサイ 3.70:1
- 水菜 3.12:1
- モロヘイヤ 2.36:1
- ダイコン葉 2.09:1
- キャベツ 1.59:1
- サラダ菜 1.14:1
- レタス 0.86:1
これを見ると一目瞭然で、カルシウムバランスにおいては「カブの葉」の右に出るものはないことが分かります。モロヘイヤはカルシウム量が多いのと同時にリン量も多いですので、総合評価としては小松菜よりも落ちてしまいます。
また、カブの葉はビタミンAの前駆物質である「βカロテン」含有量も多く、100gあたり3200μg含まれます。リクガメの食べる野菜のなかでは、モロヘイヤ、ニンジン、よもぎ、大根葉に次いで多いです。なお、モロヘイヤのβカロテン量は10000μgと、もはや規格外の栄養価です。モロヘイヤももちろん、リクガメ飼料のなかでは極めて優秀です。
カブの葉はほかに、ビタミンCなども豊富に含んでいます。なお、上記のリストでは「ダイコン葉」のカルシウム量を130mgで計算していますが、資料によっては220mg~260mgとするものもあり、その計算で行けば(ダイコン葉は)小松菜と同程度かそれ以上に優秀なリクガメ飼料であると評価できます。
リクガメは「カブの葉」を食べる?
餌の食いつきについては、ふつうです。「喜んで食べる」というほどではありませんが、小松菜やチンゲンサイと同じようにムシャムシャと食べます。
カブの根の部分には、我が家のカメは口をつけませんね。どういうわけか、ダイコン葉のほうの根っ子は、ちょっとかじったりするのですが、カブの根は見向きもしません。
葉だけでなく、茎の部分もよく食べます。カブの葉は苦味があるといいますが、とくにリクガメは気にしないようです。下茹での必要はありません。生でOKです。
根っ子の部分は、ご家庭で味噌汁やシチューに入れたりして、料理に使うと良いでしょう。カブの味噌汁は簡単にできて美味しいのでおすすめです。
バランスの良い主菜メニューを考えよう
今回ご紹介した「カブの葉」に加えて、ダイコン葉、小松菜、チンゲンサイ、水菜、モロヘイヤなどを組み合わせて、リクガメの献立を考えると良い感じになります。
市販野菜ばかりですと偏りも出てきますので、そこに「野草」も加えるとなおさら素晴らしいです。カブなんてあまりしょっちゅう買うような野菜ではなかったのですが、リクガメ飼育を始めてから私も「カブを使った料理」に目覚めるようになりました。
ぜひリクガメと一緒に、素敵なお料理ライフを楽しんでみてください。
(終わり)
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