トマト(リクガメのエサ考察)

トマトはリクガメの好んで食べる野菜として知られています。嗜好性は高く、トマトを見つけるとリクガメは一直線にかぶりつきます。

しかしリクガメの成長に必要なカルシウムはほとんど含まれておらず、糖分も多いです。リクガメにとっては「野菜」ではなく「果物」に当たるのがトマトです。ここではリクガメのエサとしてのトマトを評価していきます。

「トマト」のカメエサ評価

カルシウム量 × 可食部100gあたり7mg
カルシウム/リン比 × 1:3.71(可食部100gあたりリンは26mg)
嗜好性 とてもよく食べる。
価格 1個100円程度
総合評価 12点 カルシウム量が少なく糖分過多なので、主食としては不適切。サブメニューとする場合でも、与え過ぎは宜しくない。

トマトはリクガメのエサとしては不向き?

リクガメとトマト

リクガメはトマトが大好きで、ムシャムシャとそれはよく食べるのですが、栄養価を評価した場合にトマトは主食には向かないエサです。

まず、リクガメの成長に不可欠な「カルシウム」が可食部100gあたりにたったの7mgしか含まれていません。つまりトマトにほとんどカルシウムがありません。そして、カルシウムよりもリンの量の方が多いので、バランスも良くないです。

ビタミンAの材料となるβカロテンも、サラダ菜の4分の1程度しか含まれていません。カリウムもサラダ菜の半分程度です。

食物繊維にいたっては、野菜のなかでも最も少ない部類に入ります。もちろん「リコピン」などのトマト特有の栄養価は、リクガメにとっても良いだろうと推測されるものの、主食とするには不適切の感が否めません。

また、トマトには可食部100グラムあたりに糖分が2.6g~3.3gも含まれているとされ、けっこう糖分量が多いです。糖分過剰となると、リクガメは下痢や尿路結石を起こしやすいので、注意が必要です。

リクガメに与えることは可能ですが、あくまで年に数回のデザートとして留めておくのが良いかもしれません。

トマトには毒があるって本当?

トマトには「トマチン」と呼ばれるアルカノイド系の毒が含まれます。が、これはスーパーなどで売られている市販トマトを与える場合には、ほぼ100%気にする必要はありません

注意すべきなのは、家庭菜園などでトマトは作っている場合で、毒はトマトの茎や葉それから花に多く含まれます。リクガメを屋外飼育していて、畑に植えていたトマトの葉っぱをカメがうっかり食べてしまったというケースが危険なのです。

また、毒性としては葉っぱを1枚や2枚食べたくらいでは致死量には至りません。トマトの花の部分が最も毒性が強いので、くれぐれもリクガメが誤飲してしまないようトマト畑はリクガメから隔離しておきましょう。

緑色の熟していないトマトについても、毒性があります。赤く完熟しているものについては、心配いりません。

トマトの選び方

リクガメとトマト2

見た目が美味しそうなものを選んでまず失敗はありません。手に持ったときに、ふにゃっと柔らかいものは避けましょう。

ある程度の固さがあって、実がしっかりとしているものを選びます。

リクガメに与えるときは、包丁で食べやすく切ってあげましょう。個体の大きさにもよりますが、トマト丸々一個はリクガメには多過ぎるかもしれません。

夏場の水分補給には最適ですが、くれぐれも与え過ぎには気をつけましょう。

(終わり)

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