豆苗(リクガメのエサ考察)

豆苗(とうみょう)は、発芽して間もないえんどう豆の苗で、豆と根付きでスーパーなどで売られています。ビタミンAやβカロチンが豊富なことで有名です。

人間にとっては栄養価に優れた野菜と言えますが、リクガメのメイン給餌メニューにはなりません。詳細なデータは次のとおりです。

豆苗のカメエサ評価

カルシウム量 × 可食部100gあたり18mg
カルシウム:リン比 × 1:3.1
嗜好性 口にはするがあまり好まない。
価格 比較的高価だが水耕栽培で簡単に再収穫できる。
総合評価 21点 リクガメのエサとしてはあまり適さない。サブメニューとしては可。

豆苗はカルシウムとリンのバランスが悪い

豆苗
(商品によっては『栄養機能食品』として売られていることもあります)

βカロチンや葉酸、その他ビタミン類の栄養価に優れる豆苗ですが、カルシウムとリンのバランスが悪いです。可食部100gあたりのカルシウム量は18mgと少なく、リンとの比率は約1:3.1と、リクガメには適さない形となっています。(草食性リクガメの理想はカルシウム:リン=5:1です)

カメエサとしてポピュラーなチンゲンサイや小松菜と比べると、豆苗はメインの食事メニューとしては適さないでしょう。サブメニューとして与える分には問題ありません。

(補足:豆苗と甲状腺腫誘発物質)

ちなみに「豆苗には甲状腺腫誘発物質であるゴイトロゲンが含まれるので与えてはいけないのでは」という話をたまに耳にします。これはリクガメ飼育者さんの間では話題にならないのですが、セキセイインコ飼育者さんの間ではそれなりに有名な話のようですね。

回答として、リクガメに限って言えば、あまり気にすることはないかと思われます。少なくとも「豆苗を毎日大量に食べさせる!」という過剰摂取をさせるのでなければ、豆苗に含まれるゴイトロゲンはほとんど問題にならないかと。また、後述するように豆苗の嗜好性自体がさほど高くはないため、食べ過ぎは心配しなくても大丈夫です。

値段は高いが、再収穫が簡単

豆苗は1パックで200~300円ほどで売られていることが多く、やはり小松菜・チンゲンサイと比べると高価です。しかし、根&豆付きで販売されているため、切り離した根を水に付けておけば再び茎と葉が再生し、簡単に再収穫できます。再収穫を考慮すると、コストパフォーマンスはまぁまぁ良いと言えるでしょう。

豆苗

カメに食べさせるときは、豆と根の部分は包丁で切り落として、葉と茎の部分のみを与えます。生で大丈夫ですが、念のため軽く洗っておくと良いでしょう。

切り落とした豆と根の部分を浅い容器に水を張ってつけておくと、再び葉が伸びてきて再収穫できます。

リクガメの嗜好性はあまり高くない?

リクガメ

我が家のカメの場合は、豆苗の食いつきはあまり良くないです。興味は示しますし、食べることには食べますが、食いつきが悪いです。完食はしません。

同じマメ科の植物であれば、野草のカラスノエンドウの方がよく食べます。カラスノエンドウのような野草を身近に採集できる環境であれば、取り立てて豆苗を買って与える必要性はないかと思われます。

リクガメの好き嫌いは種による違いや個体差が大きいため、嗜好性が高い場合はサブメニューとして豆苗を加えると良いでしょう。

カルシウムとリンのバランスは良くないため、他の野菜&野草と合わせて与えることをおすすめします。

(終わり)

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