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部屋で放し飼いってありなの?(リクガメ飼育考察)

リクガメを部屋で放し飼いにすることについては、賛否両論あります。
私も長年、ペットのリクガメを部屋で放し飼いにしたことは無かったのですが、今年初めて放し飼いを試してみたら、リクガメの運動量が桁違いに増えたので考えを改めるに至りました。

この記事ではリクガメを室内で放し飼いにする際のメリットとデメリット、工夫できる点について解説します。

ロシアリクガメを部屋で放し飼いにする
我が家のロシアリクガメ / 部屋での放し飼いの様子
目次

部屋で放し飼いをすることのメリット

リクガメをケージ内で飼育することと比較して、部屋で放し飼いにすることのメリットは次のとおりです。

  • リクガメの運動量が増える
    日頃から歩き回っているリクガメにとって、飼育スペースは広ければ広いほど良いとされます。
    私の飼育しているロシアリクガメ(ホルスフィールドリクガメ)は、甲長は30cmにも満たない小さなカメですが、野生下では1日に数百~1kmくらいエサを求めて歩くことがあるとされるくらい活発です。
    ―――
  • スペースが広くなったことにより、飼育環境に温度勾配をつけやすくなる
    温度勾配をつけるとは、同じ飼育空間のなかで温かい場所とそうでない場所とをつくることです。
    空間に温度勾配があると、リクガメが自ら移動して自分にとって快適な温度の場所に移動できるようになります。
    ―――
  • 部屋に差し込んでくる日光を最大限に有効活用できる
    網戸にしておけばUVBも十分に取り込むことができます。
    UVBはリクガメの日光浴には必要で、市販の爬虫類用ライトでも補うことはできますが、やはり本物の太陽には叶いません。
    ―――
  • エアコン自体がサーモスタットとして極めて優秀
    そもそも論として部屋で放し飼いにする場合、冬場や夏場はエアコンを常に稼働することが前提となります。猫を室内飼育する場合と一緒ですね。
    最近のエアコンは0.5度刻みで正確に室内温度を設定することができ、爬虫類用のサーモスタットでライトやヒーターのON/OFFを制御して室温を管理するよりも、さらに細かい室温調整ができます。
    ―――
  • フローリングの排泄物が目立つ
    これはデメリットではなくてメリットです。
    リクガメがフローリングに排泄したときに、それをすぐに見つけて掃除することができ、糞尿の様子を見て健康状態を把握しやすいです。
    床材に赤玉土や黒土を使っている場合だと、排泄物が床材に隠れてしまって見つけるのが難しいケースがあります。

ここまで総じて良いことばかりを列挙しましたが、もちろんデメリットもあります。
デメリットは次のとおりです。

部屋で放し飼いをすることのデメリット

  • 歩行安定性が悪い
    リクガメの足と爪は大地の上を歩くようにできているため、フローリングの上を歩くには不適切で、歩行障害に繋がるのではという懸念があります。 しかしながら、床材に土を使った場合でも、実際の自然下の土の固さとは全然異なります。床材があるから問題が解決するというものでもなく、何とも言えないところです。
    ―――
  • 事故のリスクが増える
    リクガメは床に落ちているものを何でも口に入れようとしてしまうし、とくにロシアリクガメはあらゆるところによじ登ろうとします。たとえ垂直の壁であったとしても、爪が引っかかりさえするのであれば、登ろうとチャレンジするほどにアクティブです。
    さらに、潜れる場所があればあらゆる場所に潜ろうとします。
    ケージ飼育と比べて、部屋での放し飼いにはたくさんの危険が潜んでいます。そのため部屋に危険なものを置かない等の安全管理を徹底する必要があります。
    ―――
  • フローリングや壁紙、床にあるものはすべて傷がつく覚悟が必要
    これも大前提の話ではありますが、リクガメは何でも引っ掻くため、床や壁紙はボロボロにしてしまってもいいやという気持ちでいましょう。

やはり最大のデメリットは事故リスクが増えることです。
もちろんこれは犬や猫を部屋で放し飼いにする場合と同様ではあるのですが、リクガメは時として無謀な行動をするわりにおっちょこちょいなところがあり、犬猫以上にヒヤヒヤします。

甲羅を下にしてひっくり返れば自分では起き上がれなくなるのに、無茶なところによじ登ろうとしてひっくり返るのを何度も繰り返してしまう……というのはロシアリクガメ飼育あるあるで(本来はあるあるであってはいけないのですが)ともかくかなりの注意を要します。

部屋で放し飼いをする工夫

  • 必要に応じてマットなどを敷く
    もちろんエアコンをつける前提ですが、冬場は下からの冷気でフローリングが冷たくなることがあります。
    床が冷たいのはリクガメに良くないため、必要に応じてマットなどを敷きましょう。
    ―――
  • 温度計と湿度計は必ず用意する
    これは放し飼いをする場合に限らず、必ず必要です。温度と湿度を定期的にチェックしましょう。
    我が家には温度計と湿度計が10本以上あります。デジタルとアナログの両方あると、どちらかが壊れたときにすぐ気付けるのでおすすめです。
    また、温かい空気は上に逃げる性質があるため、同じ室内であっても上下の高さによって温度は異なります。リクガメの高さと同じくらいの場所にも温度計を置いてみて、どのくらい気温が変化するのかも把握しておきたいです。
    ―――
  • ペットカメラを用意する
    私はパナソニックのネットワークカメラ(KX-HRC100-K)を使用しています。一番安いモデルです。
    画質はあまり良くないものの、広角カメラで部屋全体を見渡すことができ、暗視もでき、外出先からスマホでも確認できるのでおすすめです。
    ―――
  • 床材(土)のエリアも用意する
    我が家では中型犬ケージのトレーを用意し、そこに床材を入れて部屋に設置しています。
    ロシアリクガメはやはり土のある場所の方が落ち着くのか、自分から移動してその土のエリアにいることが多いです。
    ―――
  • シェルターを用意する
    シェルターはリクガメにとっては自分の家のようなもので、とくにロシアリクガメはシェルターを欲するように思われます。放し飼いの場合でもシェルターやそれに類するものの設置は必須と考えています。
ロシアリクガメの室内放し飼い
室内に床材エリアを設置する例。
当然ながら部屋に土が散乱する大きなデメリットがあるため、環境を選びます。
ロシアリクガメとシェルター
床材エリアにシェルターを設置しています。
なんだかんだ床材エリアで過ごす時間の方が長いです。
ペットカメラ
長年使っているパナソニックのペットカメラ。
機能はこれで十分ですが、画質にこだわるならもう少し高いモデルの方が良いです。

終わりに

リクガメ飼育は試行錯誤の連続です。
万能の飼育法は存在しないため、いろいろ試してそのリクガメに合った飼育方法を見つけていくことが大切です。

私自身も、長年リクガメを飼育しておいて、室内放し飼いはこれまで一度も試してこなかったため、何事も試してみないことには分からないなと今回とくに実感しました。

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この記事を書いた人

2006年からロシアリクガメ(ホルスフィールドリクガメ)を育てています。

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