シェルターの必要性とメリットについて(リクガメ飼育考察)

リクガメ飼育の際に「あった方がいいよ」と紹介されることの多いのがシェルターです。シェルターというと何だか仰々しい言葉な響きがありますが、簡単に言えばリクガメの隠れるスペース「小屋」のことです。

リクガメの飼育書を紐解いてみると「シェルターが必須」とまで書かれているものは少なく、あくまで「あったほうが望ましい」といったニュアンスで書かれているものが多いです。

シェルターが必要かどうかは、リクガメの種類や大きさにもよるので、一概には言えません。私の飼育しているロシアリクガメについては「穴を掘る」という習性がありまして、その習慣を叶えてやるためにもシェルターの重要度は他のカメよりも高いです。

リクガメとシェルター
(写真の使用シェルター: スドー ロックシェルター HG XL

シェルターの基本的な役割

リクガメ飼育におけるシェルターには以下のような役割があります。

1. リクガメの精神安定

基本的にリクガメは夜になるとシェルターのなかで眠ります。日中であってもシェルターのなかで休んでいることは多いです。爬虫類用のシェルターでは、内側の部分が黒塗りされていて、リクガメにとってはその暗さが落ち着くようです。

実際にリクガメを飼育してみるとわかるのですが、リクガメがシェルターのなかで過ごす時間は1日の多くを占めます。人間にとっては「ベッド」あるいは「自室」に相当するのがシェルターであり、リクガメの精神安定には大きく寄与しているとされます。

リクガメの感情、というのはわかりません。しかし飼育歴が長くなってくると、何となくリクガメの気持ちが伝わってきます。なかなか外に出てこないので、無理やりにシェルターを外してみると、リクガメがすごく怒った表情するのがわかります。

飼育下であっても「外敵から身を守る」というリクガメの生存本能は変わりません。シェルターのないことがストレスに繋がる、といったことは十分に考えられることです。

ロックシェルター

(リクガメの成長に合わせてシェルターを買い換えよう)

2. 雨風からしのぐ

リクガメを屋外飼育する場合は「シェルターとしての本来的な役割」が果たされます。つまり、雨が降ってきたら濡れないための屋根となり、風からも身を守る壁となるのです。

もちろん台風や大雨の日は、リクガメを室内に避難させるべきです。しかし少しくらいの雨や風であれば、シェルターはびくともしませんし、リクガメの安全をしっかり守ってくれます。

爬虫類用に販売されているシェルターは、かなりずっしりとした重量があり、風で吹き飛ばされたりする心配はありません。

3.爪の伸長防止

メリットとして語られることは少ないのですが、実はシェルターは「リクガメの爪の伸びすぎを防止する」のに大きな役割を担っています。

とくにロシアリクガメは穴を掘るのが好きで、シェルターのなかに潜ってはガリガリと壁を引っかきます。この「シェルターを前脚で引っ掻く」という習慣がいわゆる「爪研ぎ」の代わりとなり(前脚のみですが)爪の過伸長をある程度予防することができます。

欲を言えば「本物の岩のシェルター」でしたら爪研ぎ効果としては理想です。しかし爬虫類用シェルター(スドー ロックシェルターなど)はポリレジン製ですので、岩よりかは柔らかいです。それでも無いよりかはマシで、毎日ガリガリ引っ掻くことで、爪はそれなりに削れるようです。

ポリレジンというのは、ポリエチレン樹脂に炭酸カルシウムを混ぜて作る合成樹脂素材で、陶器のように硬く耐久性に優れているのが特徴です。長年の使用にも耐えます。

シェルター使用時の注意点

リクガメ飼育にシェルターを使用するにあたって、注意すべき主な事項は以下の2つです。

1. 夏場の直射日光に注意

シェルターは中が黒塗りとなっており、熱を大変吸収しやすいです。とくに夏場の直射日光にシェルターを当てていると、触ったら火傷してしまうくらいに表面温度が上がり、シェルターのなかも蒸し釜状態となります

もちろん温度変化に敏感なリクガメは、そのような状態になる前にシェルターから抜け出してきますが、それでも高熱を帯びたシェルターを放置しておくのは危険です。

直射日光の当たらない場所にシェルターを必ず置いときましょう。シェルターを設置するのは、原則としてリクガメケージの「日陰」となる場所です。

2. 岩登りが好きなリクガメに注意

ロシアリクガメなどは、シェルターに潜るのも好きですが、シェルターに登るのも大好きです。登ること自体はまったく構いません。良い運動となるでしょう。ただし「無事にシェルターから降りられるなら」という前提条件がつきます。

ちょっと信じられない話ですが、本当のことです。リクガメは登るのは得意なのですが、降りるのは下手なのです。意気込んでシェルターに登ったは良いものの、降りられなくなってしまう。

最悪の場合には降りようとして、甲羅からひっくり返ってしまう。どういうわけか、痛い思いをしてもリクガメは懲りる事がなく、またシェルターに登ろうと頑張ってしまいます。

このようなケースがありますので、登るのが好きなリクガメを飼育される際は、シェルターに対してどのような反応するのかちょっと最初のうちは注意して観察してみてください。

登ってちゃんと降りられるようであれば問題なし。もしひっくり返ってしまうようであれば、登れないくらいの高さのシェルターにするか、逆に安全に降りられるくらいの低さのシェルターにするとよいでしょう。

リクガメとシェルター2

シェルターについてのよくある疑問と回答

以下では、リクガメのシェルターについてのよくある疑問と、その回答を紹介します。

Q.リクガメを日光浴させる(UVBライトを当てる)ためにシェルターを取り外してもいい?

A.ダメとは言いませんが、あまりおすすめはできません。日光浴をするかどうか、ライトに当たるかどうか、はリクガメが自分で判断して決めることであり、その生物的な習性に任せてしまった方が望ましいとされます。

強制的にシェルターを取り外す、といったことが続くようですと、リクガメにとってはストレスとなるかもしれません。

それとよくある誤解なのですが「日光浴」とは、直射日光を浴びることではありません。曇り空であっても紫外線はリクガメに当たりますし、たとえシェルターのなかに入っていてもある程度の紫外線はシェルターの入口部分からそそがれます。

UVBライトの紫外線照射は量が知れていますが、それでもシェルターのなかにいるリクガメにまったく届かないということはありません。(入り口から光が届くのであれば)

どのような時に体温を上げて、どのような時に体温を下げるか。それは変温動物であるリクガメ自身が一番よくわかっていることですので、日光浴のタイミングは彼らに任せてしまった方が良いのです。ホットスポットをつけるなど環境だけはしっかり整えて、あとは見守ることも大切です。強制的な日光浴は、通常時は不必要です。

Q.シェルターを段ボールなどで作るのはあり?

A.「リクガメの落ち着けるスペースをつくる」というのが目的ですので、段ボールのシェルターでも十分にその役割を果たせます。ただしロシアリクガメなどの穴を掘る系のリクガメであれば、段ボールの耐久性ではすぐにボロボロにつぶされてしまうと思います。

段ボールであれば、市販品のシェルターでは体が入らないような「大きなシェルター」も簡単に作れてしまうのがメリットで、まずは試してみるのが良いかと思います。

Q.掃除のときはシェルターはどうするの?

A.リクガメはシェルターのなかであっても、ふつうに糞尿をしてしまいます。シェルターのなかは、かなり排泄物で汚れやすいです

ですので(できれば)リクガメがシェルターの外に出ているときを見計らって、シェルターのなかの床材を掃除しましょう。毎日やるのが理想です。

スコップで汚れた部分の床材をすくって、そのままゴミ箱に捨ててしまうのが簡単で衛生的です。

リクガメとシェルター3
(シェルターを抜け出してきたところが掃除のチャンス)

Q.床材に潜るリクガメにはシェルターはいらない?

A.そうですね、状況にもよりますが、例えばヤシガラや鹿沼土などを床材に使っている場合、小さなリクガメだと潜ってすっぽりと体を隠してしまいます。

その場合は床材自体がシェルターの役割を果たせていると言えるでしょう。リクガメの落ち着けるスペースが確保できているのであれば、爬虫類用の専用シェルターは必ずしも必要というわけではありません。

上のリンクから楽天、Amazonでのリクガメシェルター製品を探すことができます。

私はスドーのロックシェルターシリーズを愛用しています。もう全種類買い揃えてしまって、これ以上大きくなったら自作するしかありませんね。(汗)

以上、リクガメ飼育のお役に立てましたら幸いです。

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