新聞紙をリクガメ床材に使って大失敗した話

目が覚めたらリクガメが新聞紙をバリバリ食べていた!

リクガメの床材選びにまだ迷っていた頃、ほんの一時期ですが新聞紙を使っていたことがありました。新聞紙は毎朝手に入れることができるし、だから毎日交換できる。コストもかからず「衛生的」であるのが魅力的に思えたのです。事件に気がついたのは、新聞紙を使ってから3日目のこと。

その日は日曜日で、仕事の疲れもあってか昼の12時頃まで寝過ごしました。ふと、耳元で「バリ、バリ」という不思議な音が聞こえたのです。寝ぼけ眼をこすってよく見てみると、なんとロッシー(飼っているリクガメの名前)が、床材の新聞紙を食い千切ってバリバリと喰らいついています。もうその時はびっくりしてギャーー!!と悲鳴をあげました。ムシャムシャだなんて生易しい表現ではなく、ほんとにもうバリバリ食べています。(たしかに新聞紙は食物繊維?みたいなのが豊富そうな印象です)

ロッシーのエサは朝の10時前にあげることが多いです。その日はいつもの時間になってもエサが出てこないので、ロッシーは新聞紙を牧草か何かとみなして食べ始めたのでしょう。

リクガメと床材

リクガメ床材としての新聞紙のデメリット

歩行安定性の問題

これはよく言われますが、たしかに新聞紙は歩行安定性が良くないです。爪の引っ掛かりも悪く、つるつると滑ってしまう印象。ただ、新聞紙の向き不向きは、飼育するリクガメの種類によって大きく違ってくるだろうと思われます。私の飼っているロッシーはロシアリクガメ(ホルスフィールドリクガメ)なので、穴を掘る習性があります。暖かい日中はアクティブで、ひたすら穴掘りをしたり、シェルターによじ登ったりします。立体的な動作が得意なのです。

だから新聞紙を床材にしたときでも、爪を引っ掛けて新聞紙をビリビリに破いて、なかに潜ろうとしていました。破けて紙の切れ端が立った状態にある新聞紙は、リクガメ目線で見ると地面に生えている草のように思えたのかもしれません。(ただリクガメは視覚《色》と嗅覚でエサを判断しているはずで、無色無臭の新聞紙をどうして食べたのかはよく分かりません。もちろんエサだけでなく、土を食べる習性も備わっていますが、新聞紙を食べる姿はどう見てもエサと誤認している様子でした)

新聞紙は本当に衛生的なのか?

私が実感したのは、新聞紙よりも土・砂系の床材の方が掃除が楽だということ。新聞紙であれば、毎日床材の総取っ替えをしなければならず、面倒です。床材交換の間は、リクガメを他の入れ物に移し替えておく必要があります。掃除は夕方にやることが多いです(朝は時間が取れないため)。しかし夕方といえば、リクガメはもうシェルターのなかですやすやと寝始めている時間で、新聞紙交換のために起こすのも忍びないでしょう。

これが土・砂系の床材(爬虫類専用土、赤玉土など)であればすごく楽なのです。掃除には、100円ショップで買ってきたお箸(ピンセット代わり)や大きめのスプーンを使います。糞尿で汚れた箇所があれば、その箇所だけをすくって取り除き、ゴミ箱に捨てればOK。毎日床材を替える必要もなく、その都度その都度こまめに土を掬って取り除くことで衛生を保てます。(もちろん数ヶ月に1回は総取っ替えをしますが、毎日交換よりかははるかに楽です)

このように考えると、新聞紙の衛生的なメリットは、果たして大きいものだろうかと考えてしまいます。ペットショップでは、リクガメ床材に新聞紙を用いている例を見たことがありません。たいていは(店で扱っている)爬虫類専用土を使っています。そちらの方がやはり、衛生管理は便利なのかもしれないですね。

ロシアリクガメ

逆に、新聞紙のメリットを考える

ここまで新聞紙の悪いところばかりを挙げてきました。もちろん、新聞紙にだって優れているところはあります。ひとつは保温性に優れているところで、例えば爬虫類専用土などの床材の底面に「新聞紙とダンボール」をクッションさせて入れておくと、ケージ全体の保温効果を高めるのに役立ちます。(私は断熱材としては、以前は発泡スチロールを使用していました。ケージの外側を発泡スチロールで覆うのですが、かなりの保温効果があったのです。今では梱包材のエアクッションを使って簡易温室を作ることも試みています)

また、リクガメを動物病院に連れて行くときの床材としても新聞紙は極めて優秀です。(というより新聞紙以外の選択肢が思いつかないです)動物病院に運ぶときは、リクガメを一回り大きなダンボール箱に入れます。このときに底に新聞紙をたくさん敷いておかないと、大変なことになります。たいていは輸送中に、リクガメはたくさんの排泄をしてしまうので、ダンボールに直に入れてしまうともうほんとに惨劇なのですね。

まずダンボールに新聞紙を敷き詰め、鞄の中にはポリ袋と、新聞紙の替えをたくさん入れておきましょう。動物病院への移動中にリクガメが排泄した場合にも、新聞紙であればすぐに取り替えることができます。このときばかりは、新聞紙サマサマです。

床材としての「新聞紙」まとめ

穴を掘らないリクガメや、あるいは誤食の心配のないリクガメであれば、新聞紙を床材として使うのもありなのかもしれません。

けれど、少なくとも私の飼育しているロシアリクガメに関して言えば、新聞紙は不適でした。

ロシアリクガメは穴を掘るのが大好きであり、穴掘りできない新聞紙はストレスとなります。それに(ロッシーは)新聞紙をエサと間違えてバリバリと食べてしまうことが分かりました。

一方で、新聞紙は保温性を高めるためのクッションとして使ったり、あるいは動物病院へ運ぶときの床材に使ったりすることはできます。新聞紙そのものは、リクガメ飼育には役立つアイテムです。また、新聞紙のメリットとして「毎日交換できる衛生面」を強調する声が大きいものの、これには異を唱えます。私としては、新聞紙以外の床材のほうが掃除は楽だと実感します。

以上、いつも文章が長くなってしまい恐縮です。読んでくださってありがとうございました。

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