【飼育方法考察】リクガメの「夏越し」は昔とは事情が異なる

リクガメ飼育にあたって、最も重要なのが温度管理を適切におこなうことです。一般的にリクガメの温度管理と言えば「冬越し」の方が注目されます。

しかしながら、観測史上最大の猛暑を記録した平成最後の夏を思えば、リクガメの夏越し対策は決して無視できない喫緊の課題です。

2018年の夏に日本を襲った恐ろしい酷暑。7月だけでも国内熱中症患者(救急搬送者)は5万4220人、死者は133人にのぼりました。(Wikipedia調べ)

これはもはや災害レベルの異常気象としか表現のしようがなく、リクガメの死因となるには十分過ぎる環境だと言えます。

来年以降はどうなるか分かりません。ただ、リクガメの夏越し方法は今一度見直した方が良いかもしれません。

猛暑の月はクーラーを24時間フル稼働する

我が家では基本的に屋外飼育できる季節はリクガメを庭に出しています。夏場でも簾(すだれ)をかけて日陰を作ることで対処をしてきました。

屋外で日光浴をするロッシー(ロシアリクガメ)

しかし18年の夏はさすがに事情が異なり、屋内飼育で夏を越させました。

18年7月・8月の近畿地方は、夜間でも室温が35℃近くとなる異常な猛暑でした。リクガメケージのホットスポット直下が35℃になるのは良いのですが、環境温度が35℃になるのであれば話はまったく別です。暑すぎます。

猛暑の対処法としては「室内飼育でクーラーを24時間フル稼働にする」以外に選択肢がないです。

私の飼育しているのはロシアリクガメの成体であるため、クーラーの温度を28℃に設定し、加えてホットスポットを設置することでケージ内に温度勾配をつけました。リクガメの種によっては設定温度29℃でも良いでしょう。

クーラーを1ヶ月間24時間フル稼働しても、電気代は数千円くらいしか上がらないです。

ネコの飼育者さんは年中クーラーつけっぱなしのところも多いと思いますが、変温動物であるリクガメ飼育ならなおのこと、頼れるときはどんどんクーラーに頼りましょう。

「暑すぎる」場合のロシアリクガメのシグナル

ロシアリクガメは穴を掘り地中深くで暑さをしのぐ習性を持っています。

夏場にもし、シェルターをいつまでもガリガリと引っ掻いて興奮が収まらなかったり、あるいはケージの隅っこでぐったりとしていたりといった兆候が見られたら、「暑すぎる」シグナルであると考えられます。

リクガメの発するシグナルを見落とさないためにも、温度計でつねにケージ内の温度を把握できるようにしておきましょう。

上の写真は私が使っている温度計で、IN(内部)とOUT(外部)で二箇所の温度を同時測定できます。温度測定部は吸盤がついており、ケージのガラスに引っ付けられます。便利です。

最高温度や最低温度の記録も可能で、夜間にケージ温度がどこまで下がっているのかもチェックできます。

上のボタンリンクから本製品を購入できます。

デジタル温度計のデメリットとしては「故障したときに気づきにくい」というリスクがあります。我が家ではアナログ式の温度計を「温度計の表示が正確かどうかを確かめるための温度計」として併用しています。

いずれにせよ温度計はリクガメ飼育の必須アイテムであると言えますね。

リクガメの夏越しまとめ

  • 猛暑下ではクーラーをフル稼働にして室内で夏越しさせる
  • クーラー設定温度は28度が目安(種・個体差に応じる)+ホットスポットで調節
  • リクガメ飼育で温度計は必須

以上、リクガメの夏越しのお話でした。

なるべくリクガメを外に出してあげたい気持ちはよく分かります。ただ昨今の異常とも言える猛暑環境のなかでは、室内飼育に切り替えるのも賢明な判断です。

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