ロシアリクガメは穴の掘れる床材がいい
ロシアリクガメは穴を掘る習性のあるリクガメで、飼育下でもよく穴を掘ります。シェルターの奥をガリガリと引っ掻くので、室内飼育の期間はその音に起こされることも多いです。
(我が家のロシアリクガメ。屋外ケージの写真)
Wikipediaを調べてみて驚きました。なんと……
(ヨツユビリクガメは)長さ3-4メートル、深さ1メートルに達することもある巣穴を掘る。
引用元: Wikipedia – ヨツユビリクガメ
(※ヨツユビリクガメはロシアリクガメの別称)
とのこと。さすがに飼育下では1メートルの深さを持つ土を用意することはできません。
けれどもせめて、穴の掘れるタイプの床材を用意してあげたいところ。ロシアリクガメの床材選びは「穴掘りができるかどうか」がひとつの判断基準になると私は考えています。
ロシアリクガメに適した床材とは何か
リクガメの床材選びは本当に難しく、正直なところどれも一長一短あります。飼育10年の間に多くの床材を試してきましたが「これは最高!」と言える夢のような床材は見つからなかったです。けれども比較的優秀な床材を見つけたので、ここではそれをご紹介しましょう。
爬虫類専用土の比較レビュー
カミハタ デザートブレンド
カミハタのデザートブレンドは、リクガメ床材で最もポピュラーな製品で、扱いやすいです。クルミ殻でできているため「誤飲」による危険性は低く、安全性に優れています。(ちなみに消化はされないようです。糞として排泄されるだけなので、エサに多量の土が引っ付くのは良くないでしょう)
また、燃えるゴミとしても捨てられます。床材入れ替え時の処分も簡単です。リクガメ床材によっては、カビや虫が発生しやすいものもありますが、デザートブレンドに関して言えば、カビや虫が出てきたことは一度もないです。衛生面でも優れた床材です。
「床材に適度な重さがあり、歩行安定性がある。そして穴が掘りやすい」点がカミハタデザートブレンドのGOODポイント。
個別にレビュー記事も書きました。詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
他の爬虫類専用土もあらかた試しました。以下にそれぞれの特徴を列挙します。
ビバリア ウォールナッツサンド
ビバリア ウォールナッツサンドも定番のリクガメ床材で、カミハタの製品より安いです。私はカミハタデザートブレンドと混ぜて使っています。床材の性質上、水分を含ませたエサ(葉っぱ類)に引っ付きやすいです。大きめのエサ入れを用意して、エサに土がつかないように気をつけましょう。
ちなみに「ウォールナッツ=クルミ」であるため、原料はカミハタデザートブレンドと同じです。粒はウォールナッツサンドの方が粗いです(私的にはデザートブレンドの方が砂らしくて好き)。吸水性や誤飲安全性も、デザートブレンドとほぼ同一と考えて大丈夫。
ニチドウ ハ虫類マット
ニチドウのハ虫類マットは、当記事を最初に執筆した2015年時点ではあまり評価していなかったのですが、それから1年近く使用する機会があり18年現在では評価を改めました。
価格が安いことと、燃えるゴミとして処理できるのがメリット。それに加えて「エサに床材がくっつきにくい」のが最大の長所となります。
上記に挙げたデザートブレンドやウォールナッツサンドは粒が小さいために、エサ(水気を含んだ野菜)に砂がかなりくっついてしまいます。餌入れの上でお行儀よく食べてくれるカメさんなら良いのですが、餌入れから葉っぱを引きずり出すことを生きがいとしている我が家のリクガメではこれが悩みでした。
写真のとおり、ニチドウのハ虫類マットは粒が大きいです。濡れた葉っぱにくっつきづらい点が良いです。
天然杉の有機繊維が原料とのことで誤飲時の危険性も低いでしょう。吸水性や脱臭性に優れますし、粉塵にもなりづらいです。リクガメが「カメフード」と間違えてバクバクと食べてしまわないか不安でしたが、うちのカメの場合は大丈夫でした。
歩行安定性を考えると粒の大きい本品は幼体には向かないと思います。また、デザートブレンドとは違って「穴が掘りにくい」デメリットがあります。
時期にもよりますがAmazonよりも楽天市場でまとめ買いする方が安い場合が多く、私はそちらを利用しています。
個別の使用レビュー記事は
こちらに詳しく書きました。
ミタニ ハスクチップ
ハスクチップは子ガメには使いづらく、どちらかと言えば成体向きの床材です。他の床材のうえにクッションとして用いることも可能で、穴を掘って潜れるのでシェルター代わりにもなります。
霧吹きをかけて濡らすことによって、湿度調整用の床材としても使えます。ただ、カビが発生しやすいので要注意。私の飼育しているロシアリクガメは乾燥地域に棲息する種であるため、本床材は現在では使用していません。
ある程度の湿度を必要とするリクガメ種には適した床材であると言えます。
ちなみにハスクチップは「ヤシの実の外皮」の繊維を圧縮加工した床材です。園芸では「ココチップ」という名称で土壌改良材に使われています。(園芸店から仕入れたほうが安く手に入るかも)クワガタムシの飼育でもよく使われます。
保水性がよく湿度調整用としては使いやすいです。けれども、ロシアリクガメなどの乾燥系小型リクガメには今ひとつ使いづらい印象です。
ニッソー カルシウムサンド
ニッソーのカルシウムサンドずっしりと重量があり、抜群の歩行安定性。かなり砂の粒が細かく、撫でるとサラサラとした感触。粒自体に重みがあるため、部屋に砂塵が舞う心配もないです。
誤飲に関しても「カルシウムサンド」なので問題なし。
デメリットは高価なこと。穴が掘れるほどの量を用意するとなると相当に高くつきます。
カルシウム補給に関しては、床材をあてにせずに「カルシウムパウダー」を利用した方が良いと感じます。(ミネラルブラックのような、かじってカルシウム補給できる固形状のものも販売されています)
マルカン コーンクリーンベッド
コーンクリーンベッドは使ってみた感想としてはおすすめできません。
とうもろこしの穂軸原料で、安全性と衛生面に優れているのは確かです。
ただ、あまりにも「軽すぎる」点が難点です。床材のなかではコーンクリーンベッドが最も軽量です。
軽すぎるので歩行安定性が悪く、水分の含んだエサに吸着しやすいです。床材の上に敷くクッション材としては使えるものの、リクガメのメイン床材としては使えませんでした。ハムスターには良いと思います。
その他、試したことのある床材
新聞紙
どういうわけか、うちのロシアリクガメは新聞紙をバクバクと食べてしまいます。新聞紙に関してはこの記事で考察。
歩行安定性も悪いですし、衛生管理もかえって大変なのでおすすめできません。
チモシー
ウサギ飼育の床材としては定番。原料は牧草で食べられます。
デメリットは「香りが強く、カビや虫が発生しやすい」こと。うちのリクガメはチモシーをエサだとは認識せずに、シェルター代わりにしていました。カビの発生に伴い1ヶ月でチモシーはお蔵入りです。
すのこ
床材というよりかは「エサ置き場」に適しています。例えばバスキングライト直下に金属製のエサ入れを置くと、熱を吸収して想像以上に高温になる場合があります。木製のすのこをエサ入れとして使えば、熱くなり過ぎず安心です。
水洗いでき、掃除もしやすいです。(大きな葉っぱしか置けないのが短所)
少し話題が逸れますが、写真は「100円ショップの木製まな板」を餌置きとして使用している例です。床材の補助としてはこうしたアイテムも活用できます。
赤玉土と鹿沼土
赤玉土(あかだまつち)はリクガメ床材として使用できる「園芸用土」のなかでは、もっとも優秀です。
室内では砂塵が舞うデメリットがあるものの、屋外ケージであれば「赤玉土・鹿沼土」をメイン床材に使っても良いでしょう。(我が家でも屋外飼育では赤玉土をメインで使っています)
ふたつの園芸用土については、個別記事にて考察を行いました。
砂塵発生前に床材交換をするのであれば、室内飼育にも使うことができます。爬虫類専用土の1/10程度の価格で買えるため、非常にコストパフォーマンスに優れます。
(写真は屋外飼育の例。赤玉土、鹿沼土、デザートブレンド、ココナッツチップ、ウォールナッツサンド、ハスクチップ、ハ虫類マットなどがブレンドされ、カオスな状態になっています。混ぜればいいってものではないですが、おかげで潜れるくらいの深さにはなりました)
まとめ
今まで使ってきた床材の中では「カミハタ デザートブレンド」が一番良かったです。
成体のロシアリクガメであれば「ニチドウ ハ虫類マット」もかなりおすすめで、2018年現在はこちらをメインに使用しています。
屋外飼育なら赤玉土や鹿沼土が安くてベターです。
以上、床材選びのお役に立てたら幸いです。
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